いけ★ぱら プロローグ

０．『父を訪ねて』

医者である父が家に帰って来なくなった。

「千鶴、暫く家を空けるよ。」
「またお仕事ですか？」

父は優秀な外科医なので患者に信頼されていて、尚且つ責任感の強い人なので家に父が居ると病院は、患者さんは平気なのか心配になる程に病院に泊まり込む事が日常茶飯事だった。
大抵、一週間の内に家に帰ってくるのは一度くらいで多くて三回。それも寝に帰って来ているようなもので一言二言言葉を交わしてまた病院に戻るような生活だった。明らかに労働基準法を無視した働きっぷりに正直、病院を訴えようかと思ったこともあったけど、父が生き生きと働いているので特に何もせずに見守っていた。
そんな父が連絡一つ寄越すことなく家に帰って来なくなった。

帰ってこなくなって十日程経ったころ、心配になって病院に電話をしたところ父が辞表を出していることが分った。私は信じられなくて急いで病院に行って確かめると、確かにその字は父のものだった。

それ以来私の父、雪村綱道は行方不明になった。
捜索願も出したが何の成果もないまま二ヶ月、突然父の行方に関する情報が舞い込んできた。


「千鶴ちゃん！！千鶴ちゃん！！」

朝、学校に行くと直に友達のお千ちゃんが飛び付いてきた。

「どうしたの？また格好いい人でも見た？」
「ちっがーう！！」

荒く息を吐くとお千ちゃんは私の肩をがっしりと掴んだ。

「綱道さんの目撃情報が手に入ったの。」
「嘘・・・・」
「君菊の情報だから間違いないわ。」
「どこ・・・父さんはどこに・・・！！！」
「お、落ち着いて千鶴ちゃん・・」
「教えてお千ちゃん！父さんはどこに居たの？！」

お千ちゃんは真剣な眼差しを私に向けると、とある場所の名前を教えてくれた。

『私立壬生学園』

知る人ぞ知る、有名な男子校だった。


続く




始めてしまった・・・
私欲に負けた連載・・・・

色々考えているので
楽しみながら書こうと思います。笑