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1.『泣き落とし作戦』

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友人であるお千ちゃんの情報によると父さんは壬生学園の保健医である松本先生と古くからの友人らしい。
それで先月松本先生を訪ねに壬生学園に父さんが行った・・・。

「壬生学園・・・・」
「ごめん、分ったのはそれだけなんだ。」

謝るお千ちゃんに私は首を振る。

「ううん、ありがとう。父さんが無事ならそれでいいの。」
「でもその後の足取りが全く掴めないんだよね~。あの学校って秘密主義だし、部外者がそんなに簡単に入れるような場所じゃないんだよね。ほら、ウチ女子校で向こうは男子校じゃない?どう考えても接点がないからさ、地域も違うし。」
「そうなんだ。」
「だから君菊でも松本先生の名前を手に入れるので精一杯だったの。」

私は父さんの口から一度も『松本』なんて名前を聞いたことがない。

「松本先生に会えないかな。」
「ん~無理だと思うな~。学園内の寮に住んでたら完全にアウトだし、たとえ自宅通いだとしてもタイミングがね。学園に電話してもきっと取り合ってくれないだろうから。」
「名乗っても、無理かな。父さんの知り合いなら私の名前を聞けば・・・。」
「向こうが千鶴ちゃんのことを知ってればね。」
「・・・そう、だよね。」
「壬生学園の男子って、結構他校の女子から人気があって女子からの問い合わせとか学園側の対応は結構厳しいらしいの。」
「事情を説明しても、駄目かな。」
「君菊が動いても難しかったから・・・どうかな。」

君菊さんとはお千ちゃん家の会社の秘書さんらしいんだけど・・・その正体は詳しくはしらない。

「警察も詳しい情報掴めてないんだよね。」
「・・・うん。」
「ってことは、警察でも松本先生にたどり着けてないってことかな。」
「捜索の人員減らしたみたいだから・・・。最近大きな事件多いし。難しいみたい。」
「そっか・・・正式な理由がない限り学園内に入ることは出来ないから、面倒な場所だよ本当。」
「どうすればいいんだろ・・・。」

その時、不図閃いた。

「そうだ・・・」
「どうしたの?千鶴ちゃん。」

お千ちゃんは首を傾げて私を見る。

「転校・・・・」
「は?」
「転校すれば・・・壬生学園の生徒になれば松本先生に会える・・・」
「・・・・・・はぁ?!」
「他にも父さんのこと知ってる人が居るかもしれないし。ね、ナイスアイデアだと思わない?!」
「思わないよ!!馬鹿じゃないの?!転校って簡単に言うけどね、あそこは男子校なんだよ?!普通に考えて無理じゃん!!!」
「普通は、ね。」

私はニッコリと微笑むとお千ちゃんの手を掴んだ。

「な、何?」
「協力して。」
「は?無理無理無理!!絶対無理だって!」
「無理じゃない要素が一つだけあるの。」
「・・・・もしかして・・・。」

お千ちゃんの顔が青ざめるのを無視して私は頷く。

「日本にその名を轟かせる大財閥のお千ちゃんの家の権力を使えば何とかなると思わない?」
「思わないよ!!」
「なら私が薫として転校すれば・・」
「そんなことしたら薫君が二人存在することになるでしょ!」
「確かに。」
「ね?無理でしょ?転校は諦めて地道に調べたほうが絶対安全!」

そう力説するお千ちゃんに最後の手段を使うことを決めた。

「・・・・駄目?私、もうジッとしてられない!警察も信じられない!!お願い・・・協力して・・・。」
「う゛・・・・・・・」

涙をためて上目遣いでお千ちゃんを見る。
その名も泣き落とし作戦。

「駄目?」
「・・・・それ態とでしょ。」

うるうるうるうるうるうる・・・

「すっごく癪だけど、アイツの気持ちが分ったわ・・・・。」

お千ちゃんはそう呟くと諦めたように溜息を吐いた。

「そこまでするならいいわ。見せてあげる、我が家の絶対の権力を!」

拳を握るお千ちゃんに抱きつく。

「ありがとう!!!」
「ただし、約束!」

お千ちゃんは私の鼻先に人差し指を当てた。

「絶対に無理はしないで!」
「うん、分ってる。」
「あと、バレたら即行計画中止!」
「うん。」
「それと、アイツには絶対に言わないこと!」
「う、うん。それは絶対に約束する。」

あの人に知られたりしたら私の身が危ない。

「いい?!約束だからね!特に最後のが一番重要だからね!!こんなことに協力したとバレたら殺される・・・。」
「私はきっと二度と日の光を浴びれないよ・・・・・。」

名前を思い出しただけで寒気がしてきた。

「じゃ、早速君菊に動いてもらおうかな。」

そう言ってお千ちゃんは携帯を取り出した。
私は電話で君菊さんに指示を出すお千ちゃんの声を聞きながら窓の外を眺める。

「父さん、絶対に見つけるからね。」


それから一週間後。
私は私立壬生学園の制服を着ていた。
長かった髪も切って出来る限り男の子に見えるようにした。

「ん~、そうしてると薫君にそっくりね。」
「双子だからね。」

鏡に映る学ランを着た自分の姿は双子の兄にソックリだった。

「いい、千鶴ちゃん。絶対に無理しちゃ駄目だからね!!」
「分ってるよ。お千ちゃんも、あの人誤魔化すのお願いね。」
「一応頑張る。」
「お願い、頑張って!!!!」

私は必死に訴えた。お千ちゃんもバレたら自分の身が心配なのか何度も深く頷いた。

「それじゃ、行って来るね。」
「行ってらっしゃい!綱道さん、見付かるといいね。」

お千ちゃんの言葉に私は頷いた。


続く





一応千鶴ちゃんと千姫は女子校に通ってます。
そんな裏設定です。

次からは彼等が出てきます。
早く書きたくてウズウズしてます。
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